住宅用のカギと言えば、多くの人は、カギ穴にキーを差し込んで、施錠・解錠するといった物理的なものをイメージするが、セキュリティ市場においては近年、いわゆる「スマートロック」と呼ばれる物理的なキーやカギ穴を使わない電子錠が注目を集めている。なかでもトレンドといえるのが、スマートフォンやタブレットなどのアプリ経由で施錠・解錠の操作ができる機能。東京ビッグサイトで開催されていた「賃貸住宅フェア2015」にも、そうした機能を有したスマートロックを複数の企業が展示していた。ちなみに「スマートロック」といっても、提供するメーカーによって定義は微妙に異なり、「スマートフォンでカギの開け閉めを行うもの」という定義と、「物理キーを使うよりも簡単な手順でカギの開け閉めができるもの」という定義に二分できる。昨今では、前者の定義で“スマートロック”とする製品も増えており、これまで後者の意味で定義されていた製品にも「スマートフォンなどで施錠・解錠が行える」という機能が追加されるケースが増えている。今回ピックアップするのは、玄関ドアの前面(外側)と後面(室内側)の双方に機器を設置するICカード&暗証番号認証付きタイプのスマートロックの数々だ。先ほど解説した定義に当てはめるなら、後者の流れをくむものが多い。このタイプに共通するのは、ICカードや暗証番号による認証端末をドアの前面に設置し、後面には認証を受けて施錠・解錠を行うロック機構が設置するという構成。スマートフォンやタブレットを使った施錠・解錠に加えて、ICカードや暗唱番号による認証を組み合わせて、より高いセキュリティを実現できることが特徴となる。なお、設置の際には、既存のシリンダー(カギ穴など)を取り外したり、ドアに穴を空けるといった、設置工事が必要となる。
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