アルミ製ボディーのシンプルなスマートロック。ソニー新会社、「キュリオ」(Qrio)のロゴが入る 写真:Qrio Smart Lock
ソニーが動いた。部屋の外からスマホアプリを使ってドアのロックを解錠できる「スマートロック」を開発、インターネット・オブ・シングス(モノのインターネット)市場に狙いをつける。
現在、ドアのサムターン(つまみ)部分に貼りつけるだけのスマートロック(デジタル鍵)装置「キュリオ・スマートロック」(Qrio Smart Lock)が、クラウドファンディング「Makuake」で開発資金を募集している。2014年12月時点で、サムターンを使ったスマートロックとしては世界最小という。
電源はリチウム電池2本を使い、1回の交換で500日ほど使用可能という。ボディーはアルミを基調として、ドアに設置した際の違和感をなくした。1万2000円(200個までは1万1250円)の出資で入手できる。配送開始は来年5月の予定。販売時の予価は1万5000円。
開発にあたるのはソニーが設立する新会社「キュリオ」(Qrio)。国内最大級のベンチャー投資会社WiLと共同で、12月中旬に設立する。同社では、スマートロックに採用したソニー独自開発の公開鍵型セキュリティー機構を強みとして、他のサービス開発にも臨む構え。
インターネット・オブ・シングス市場全体は、2018年には世界20兆円規模に膨らむという予想がある。
しかし市場は産業系がほとんど、ネットワーク家電はまだ市場規模が小さく、大手メーカーにとって参入のうまみが少ないため、ベンチャーがこぞって市場を狙っている状態だ。ソニーは新会社を通じて、本社ではリーチの難しかった成長市場にアプローチをかける狙いとみられる。
※お詫びと訂正:初出時、リチウムイオンバッテリーとしていましたがリチウム電池の誤りでした。また、ドアの解錠を「スマートフォンをかざすだけ」としていましたが、正しくはアプリを使う必要があります。お詫びして訂正します。(12月19日)