機能性インテリジェント材料研究所設立 シンガポール国立大学

グラフェンの研究で2010年ノーベル物理学賞を受賞したコンスタンチン・ノボセロフ (Konstantin Novoselov) 教授が率いる機能性インテリジェント材料研究所が新しく設立される。

AsianScientist - シンガポール国立大学 (NUS) は、機能性インテリジェント材料の開発を専門とする世界初の研究所を立ち上げ、スマートソリューションを新たな高みへと導く。ノーベル賞を受賞した材料科学者のノボセロフ 教授、さらにアントニオ・カストロ・ネト (Antonio Castro Neto) 卓越教授に率いられる機能性インテリジェント材料研究所 (I-FIM) は、NUSの最新のリサーチ・センター・オブ・エクセレンス (RCE) となる。

ほんの数十年前、私たちの環境とニーズに対応できるスマートテクノロジーは、SFの夢に過ぎないと思われていた。今日、スマートな働きをする信号機、ホームアシスタント、ドアロックは私たちの日常生活で重要な役割を果たしている。しかし、それをさらに一歩進め、インテリジェントで応答性の高い材料を作成できるとしたらどうだろうか?

ウールやスチールなどの材料は固定した特性を持つのが一般的である。I-FIMの設立により、研究者たちは環境に応じて動的に変化するインテリジェントかつ適応性のある材料を創造しようとしている。I-FIMの研究者たちは、機械学習や人工知能などの最新のツールを活用することで、スマートバッテリーから人工臓器までさまざまなソリューションに適用できる材料を開発できるようになる。

 機能性インテリジェント材料研究所設立 シンガポール国立大学

「何世紀にもわたる古い技術では、材料科学者たちがこの問題に取り組むことができないことは、初めから十分わかっていました。 私たちはこの分野において、すべての世界研究の最先端にいると言えます」とノボセロフ教授。

NUSの広範な学際的アプローチに従い、研究所は工学、科学、コンピューティング、ビジネスなどの幅広い分野にわたり若い才能の育成にも焦点を当てている。シンガポールの材料科学エコシステムの未来を豊かにするために、I-FIMは今後10年間で50の博士課程奨学金と100を超えるポスドク奨学金を提供する予定だ。

I-FIMで行われる研究は、政府が打ち立てた250億シンガポールドルの研究・イノベーション・エンタープライズ計画2025と緊密に連携しており、現実の問題を解決し、テクノロジーを環境に優しく、手頃価格で、スマートなものにすると期待されている。現在、チームは環境に対応し、ろ過率と流動効率を最大化できるスマートメンブレンを開発することで、水処理の分野で力を尽くしている。

カストロ・ネト卓越教授は「私たちはシンガポールだけでなく、世界のためにも成果を上げることを目指しています」といい、「私たちは、科学を実行する新しい方法の基盤になりたいと考えています。それは学際的なコラボレーション構造であり、1プラス1を本質的に2より大きくすることができます」と話した。

原文記事(外部サイト):●AsianScientisthttps://www.asianscientist.com/2021/10/academia/nus-institute-intelligent-materials/

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Source: National University of Singapore; Photo: Shutterstock.Disclaimer: This article does not necessarily reflect the views of AsianScientist or its staff.