2019年9月に発売された「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」。このタイミングで買い替えを検討し始めている人もいるだろう。
さて、iPhoneの買い替え時に悩ましいのが「ストレージ容量」の選択だ。自分に合う容量を選ばないと、写真や音楽、アプリを思うように入れられず、容量不足に悩まされる……といったことにもなりかねない。そこで本記事では、iPhone 11シリーズのストレージ容量の選び方を紹介しよう。
まず、iPhone 11シリーズのストレージ容量を確認しよう。iPhone 11は64 / 128 / 256GBの3モデル、iPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxは64 / 256 / 512GBの3モデルが用意されている。
容量選びに迷うなら、あとから後悔しないように最大容量を購入してしまうのも手だが、iPhone 11の64GBと256GB、iPhone 11 Proの64GBと512GBでは数万円の価格差があるので、自分の使い方に合わせてできるだけ慎重に選んだ方がいいだろう。
では、それぞれの容量で、使用時にどれくらいの差が出るのかを具体的に確認していこう。
実際のところ64GBと512GBでは、保存できる容量にどれくらい差があるのだろうか?
まずは、音楽の場合で考えてみよう。再生時間を1曲あたり4分ほどとした場合、圧縮の形式などにもよるが、データ容量はおよそ8~12MB。平均10MBとして、仮にiPhoneの全容量を費やした場合、64GBなら6,400曲、512GBなら5万1,200曲を保存できる計算だ。
また、写真を例にすると、「iPhone 8」以降のiPhoneは高画質かつ軽量な「HEIF(ヒーフ)」という形式を採用している。その形式の場合、iPhoneの標準的な解像度である4,032×3,024の写真なら1枚につき1〜1.5MBといったところだ。仮に1枚の写真を平均1.25MBとしてiPhoneの全容量を費やすとした場合、64GBだと51,200枚、512GBだと40万9,600枚の写真を撮りためられる計算になる。
動画をよく撮影するという人も多いだろう。動画の場合、保存時の容量は初期設定の画質であるフルHD動画「1,080p HD/30 fps」なら1分間あたり約60MBとなり、超高画質4K動画「4K/60 fps」なら1分間あたり約400MBだ。つまり、iPhoneの全容量を費やした場合、撮影可能な時間は以下の通り。
上記は全容量を費やした場合の数字なので、あくまでも目安として考えてほしい。ほかにアプリなどを保存すると考えると、当然、音楽や写真、動画に費やせるのはもっと少なくなる。
新しいiPhoneの容量を検討するうえで具体的な参考となるのは、なんといっても現在使用しているiPhoneのストレージ使用状況の確認だろう。自分がどんな使い方をしているのか、それで足りているのか、不自由しているのかを確認すれば、おのずと必要な容量も予測できる。
確認する方法は簡単。[設定]▶︎[一般]▶︎[iPhoneストレージ]をタップ。すると、ストレージの使用中データ容量、使用可能な空き容量が表示され、各アプリのデータ容量が上位順に一覧で確認できる。
なお、このとき表示される数値は、各アプリに保存されているデータの容量を合算したもの。たとえば「写真」なら、端末内の写真と動画の全サイズを足した数値ということだ。これを見れば、自分にどの程度の容量が必要なのかが一目瞭然。容量選びの参考になるだろう。
iOS 13からは、標準の「ファイル」アプリがSDカードやUSBメモリなどの外部ストレージに対応した。これにより、iPhone内の写真をUSBメモリに移したり、またUSBメモリ内の音楽を再生したりといったことが可能になっている。iPhoneの容量を選ぶ際には、この点も考慮してもいいだろう。
なお、外部ストレージを利用するには、Lightning-USBカメラアダプタやLightning-SDカードカメラリーダーが必要になる。また、すべてのUSBメモリが利用できるわけではなく、なかには消費電力が大きく利用できないものもあるので注意してほしい。
これまでの内容を踏まえ、256GBや512GBの大容量モデルと、64GBの小容量モデル、それぞれにおすすめのタイプを考えてみよう。
まずは256GBや512GBの大容量モデルだが、向いているのは以下のような人になる。
・写真や動画をたくさん撮影する人・大量の音楽や映画をiPhoneにストックし、外出先で楽しみたい人・さまざまなアプリを使いわけるビジネスマンやスマホヘビーユーザー
とくに、飛行機や新幹線などの移動が多く、ネットが利用できない時間でもスマホを活用したいという人には大容量モデルがおすすめだ。最近は飛行機の中でもWi-Fiが利用できるが、あらかじめ動画や仕事の資料をダウンロードしておけば、よりスムーズだ。同じ理由で、頻繁に海外に行くという人にも、現地でのデータ通信を抑える意味で大容量モデルをおすすめしたい。
一方、小容量モデルの64GBでも問題ないのは以下のような人になる。
・クラウドストレージを活用している・ストリーミングメインで音楽や映画を保存しない・余計なアプリは入れない、定期的に削除している
iCloudやDropbox、Googleフォトなどのクラウドストレージに写真やファイルをバックアップしつつ、動画はストリーミングで楽しむなど、総じてネット環境を使いこなしている人なら64GBでも問題はないだろう。ネットにつながらない環境では多少の不自由があるかもしれないが、先に挙げた外付けストレージを併用するという手もある。
どうにも悩ましいiPhoneのストレージ容量の選び方。人それぞれの使い方にもかかわってくるだけに、なるべく慎重に検討したいところだ。本記事を参考に、ぜひ自分にあった容量のiPhoneを購入して、快適な使い心地を存分に体感してほしい。