水素は地球上で最も軽い気体で、無味・無臭、濃度が高まると燃える可燃性ガスの1つです。研究グループは東京電力福島第一原子力発電所の事故で溶けた核燃料から発生した大量の水素がたまって爆発し事故が深刻化したことを踏まえ、水素の濃度をいち早く測る技術開発を進めてきました。開発では軽い気体ほど音を伝えるスピードが速くなる性質に着目。水素で満ちた空間は大気よりも4倍ほど速い特性を応用し、水素を含む空間で音が伝わる時間を計測することで水素濃度が瞬時に分かる装置を開発しました。計測にかかる時間は0.05秒未満で、350度以上の高温環境でも利用できるということです。研究グループは、水素が化石燃料に代わる新たなエネルギーとしての利用が広まる可能性があることから、爆発などの事故を防ぐ対策につなげたいとしています。開発に携わった荒邦章研究員は「水素を使った社会インフラの整備が進んだとき、この技術を活用すればわずかな水素の漏れも素早く見つけられるので、安全対策への寄与を期待している」と話しています。
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