アクアの安全性能は十分か?先進安全技術の充実度をチェック(~2021年6月)

カーテクノロジーの進歩は凄まじく、一昔前では考えられなかったような装備が今では搭載されていて当たり前の時代になっています。衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時急発進抑制装置などの先進安全装備もそのひとつといえるでしょう。先進安全装備は万が一の事故の危険を減らしてくれる心強い存在ですが、充実度は車種によって大きく異なります。

ここでは、トヨタ「アクア」の安全性能について紹介しましょう。

【この記事のポイント】✔「Toyota Safety Sense」は全車標準装備ではない✔近年追加された特別仕様車は「Toyota Safety Sense」に加えインテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」を搭載✔アクアは全車が「サポカーSワイド」認定というわけではない

アクアの安全性能の特徴

アクアは2011年12月に登場しており、モデルライフが長くなっていますが、2015年11月の一部改良時に衝突被害軽減ブレーキなどを含む衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」(当時の名称、現在は「Toyota Safety Sense」へと名称変更)を採用。さらにその後も衝突軽減ブレーキの検知機能向上や、ペダル踏み間違い時急発進抑制装置にあたる「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」が追加されるなど、絶え間なく安全性能をアップデートさせています。

なお、アクアの3種類のグレード「L」「S」「G」のうち、最も高額な「G」以外には「Toyota Safety Sense」「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」は標準装備されませんが、オプションでの追加は可能です。

今では先進安全装備は搭載していて当たり前の時代であることを反映し、近年追加された特別仕様車に関しては「Toyota Safety Sense」と「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」が搭載されています。「GR」シリーズには「Toyota Safety Sense」が装備されますが、「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」はありません。

「Toyota Safety Sense」と「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」を装着しているアクアは、「サポカー」の中でも最も先進安全装備が充実した「サポカーSワイド」の認定を受けています。

アクアの「Toyota Safety Sense」の内容

ここでは、アクアの「Toyota Safety Sense」には、どのような先進安全技術が含まれているのかを見ていきましょう。

プリクラッシュセーフティレーンディパーチャーアラートオートマチックハイビーム

プリクラッシュセーフティ

出典:トヨタ「アクア」特長

車両や歩行者を検知して、危険があれば自動ブレーキを作動させる衝突被害軽減ブレーキです。

2種類のセンサーで障害物を検知

単眼カメラとレーザーレーダーの2種類のセンサーを使用して車両や歩行者を検出します。自車との衝突の危険があるとシステムが判断した場合には警報を発し、ドライバーに注意喚起します。

 アクアの安全性能は十分か?先進安全技術の充実度をチェック(~2021年6月)

ブレーキアシストを作動して制動力をアップ

警報を受けてドライバーがブレーキを踏んだ場合には、システムがブレーキアシストを行い、制動力をアップすることで衝突の回避を図ります。

ブレーキを踏めなかった場合には自動ブレーキを作動

何らかの理由でドライバーがブレーキを踏めなかった場合には、自動ブレーキを作動させて衝突の回避、もしくは衝突被害軽減をサポートします。

検知対象は車両と昼間の歩行者で、自動ブレーキは対車両の場合約10~80km/h、歩行者の場合は約10~65km/hの速度域で作動します。

レーンディパーチャーアラート

約50km/h以上で走行中にシステムが車線を認識し、ウィンカー操作なしで車両が車線をはみ出しそうになった場合には、音とディスプレイ表示でドライバーに車線逸脱の危険を知らせる機能です。

ドライバーの回避操作をサポートする、ステアリング操作の支援機能などは搭載されていません。

オートマチックハイビーム

ハイビームとロービームをシステムが自動で切り替えることによってドライバーが手動でヘッドランプを切り替える手間を減らすほか、切替え忘れを防止して安全運転に貢献する機能です。約30km/h以上で走行中に作動します。

このほか、「Toyota Safety Sense」のセンサー技術を使用している付帯機能として、「先行車発進告知機能」があります。これは信号待ちや渋滞時などで停車している際、先行車が発進しても自車が停止を続けた際に警告を発し、出遅れを防止する機能です。

そのほかの先進安全技術

アクアには、「Toyota Safety Sense」以外にも先進安全技術を採用しています。

インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)](「L」「S」「GR」シリーズを除くグレードに標準装備、「L」「S」にメーカーオプション)

出典:トヨタ「アクア」特長

車両に設置された8つのソナーが壁などの障害物(静止物)を検知し、車庫入れなどの際に障害物との接近をブザー音や表示でドライバーに知らせます。

また、約15km/h以下の低速走行時に進行方向にある障害物を検知している場合には、ハイブリッドシステムの出力を自動制御することに加え、衝突の危険がより高まった場合には自動ブレーキ制御も入る優れたシステムです。

パノラミックビューモニター(「S“Style Black”」に標準装備、「G」にメーカーパッケージオプション)

出典:トヨタ「アクア」特長

車両を真上から見下ろしているような映像を対応ナビ画面に映し出し、運転席から死角になる場所の安全確認をサポートする機能です。駐車時や交差点などで活躍するでしょう。

アクアの安全装備は最新のものと比較するともの足りなさを感じる部分もある

アクアは随時安全性能をアップデートしている点は評価できますが、先進安全技術が全車標準装備でないことに加え、ステアリング操作を伴う運転支援機能がないなど、最新のものと比較すると若干見劣りする部分もあるといえます。

モデルライフが長いためフルモデルチェンジを待っている状態かと思われますが、もう少し最新の安全装備が追加されるのを期待したいところでしょう。

※2022年3月15日までにこのリンク先のページからお申し込みをいただき、その後契約に至った方(契約日は期間より後でも可)

よくある質問

Q1:アクアには先進安全技術は全車標準装備されているの?

A:いいえ、アクアにはトヨタの衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」が採用されていますが、「L」「S」には標準装備されていません。そのほかのグレード、特別仕様車には標準装備されています。なお、「L」「S」にもオプションでの追加は可能です。

Q2:アクアに搭載される先進安全技術にはどんなものがあるの?

A:車両と昼間の歩行者を検知して自動ブレーキを作動させる「プリクラッシュセーフティ」、車線から逸脱する危険を察知すると警告を発する「レーンディパーチャーアラート」、自動でヘッドランプを切り替える「オートマチックハイビーム」、ペダル踏み間違い時急発進抑制装置にあたる「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」などがあります。

Q3:アクアはどの「サポカー」に該当するの?

A:アクアの「Toyota Safety Sense」と「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」装着車は「サポカーSワイド」、「Toyota Safety Sense」のみ装着するアクアは「サポカー」の認定を受けています。「Toyota Safety Sense」非装着車は「サポカー」ではありません。

※記事の内容は2021年2月時点の情報で執筆しています。

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