デジタルカメラやビデオカメラを使う上で欠かせない「SDメモリーカード」。データのバックアップ(保存)に使っているという人もいるでしょう。
しかし、SDメモリーカードを価格だけで選んでしまうと「容量が足りない!」「データがうまく保存できない!」といった想定外のトラブルが発生することがあります。使い道にピッタリ合ったカードを選ぶことが大切です。
この記事では、SDメモリーカードを購入する際にチェックすべきポイントを確認しつつ、それを踏まえたおすすめ商品を紹介します。
【訂正:1月30日14時45分】初出時、SDメモリーカードの規格表記に誤りがありました。おわびして訂正致します
SDカード、どう選べばいい?どのくらい保存する? 「規格」と「容量」をチェック
SDメモリーカードは、容量別に以下の通り規格が分かれています。
より容量の大きい規格に対応する機器は、容量の小さい規格のSDメモリーカードにも対応しています。例えば、SDXCメモリーカードに対応する機器は、SD規格やSDHC規格のSDメモリーカードも使えます。逆に、SDHCメモリーカードに対応する機器では、SDXCメモリーカードは利用できません。
まず、買おうとしているSDメモリーカードの規格が、自分の機器で使えるかどうかチェックしましょう。
機器側がSDXC規格に対応している場合、SDメモリーカードは「SD規格」「SDHC規格」「SDXC規格」のいずれも使える。用途やバックアップの頻度に合わせて選べばいいその上で容量を選択するわけですが、何をどのくらい保存するのか、どのくらいの頻度で別のストレージにバックアップ(待避)するかで必要な容量は変わります。用途によっては、後述する「読み書き速度」の方が重要になる可能性もあります。
デジタルカメラやビデオカメラ、音楽プレイヤーの場合、一般的にデータの保存に必要な容量を取扱説明書やサポートサイトに“目安”として記しています。容量は、それを参考にして選ぶようにしたいです。
デジタルカメラやビデオカメラ、音楽プレイヤーの取扱説明書(またはサポートサイト)には、ファイルの保存容量の目安が記載されていることが多いので参考にしましょう(画像は、キヤノンの「EOS R」において、32GBのSDHCメモリーカードを使った際の静止画撮影枚数の目安)読み書きは高速じゃないとダメ? 「クラス」をチェック
SDメモリーカードには、容量別の規格に加えて「スピードクラス」と呼ばれる読み書き速度に関する規格も定められています。
スピードクラスは、SDメモリーカードが最低限保証する書き込み速度を定めたものです。特にデジタルカメラやビデオカメラの場合、撮影機能に応じて最低限必要なスピードクラスを定めている場合があります。要求されるスピードクラスに満たないSDメモリーカードを使うと、撮影時にエラーが出たり、一見出なかったとしてもうまく撮影できていなかったりすることがあります。
とりわけ、4K(3840×2160ピクセル)以上の解像度の動画を撮影したり、RAW形式で静止画(写真)を撮影する機会が多い人は、スピードクラスにはよく気を付けてください。
ちなみに、読み書き速度を左右する規格として「バススピードクラス」というものもあるのですが、デジタルカメラやビデオカメラの中でも超ハイエンドなモデルでない限り意識する必要はないでしょう。
SDメモリーカードの規格を管理する「SDアソシエーション」が公開しているスピードクラスの説明デジタルカメラやビデオカメラの中には、撮影機能に応じて必要なスピードクラスを指定している場合があります(画像はパナソニックの「LUMIX TZ85」の取扱説明書)ただ、ある意味で当然ですが、SDメモリーカードは容量が大きければ大きいほど、読み書き速度が速ければ速いほど価格は上がります。それほど容量の大きくないデータのバックアップ用途に使う場合は、そこそこの容量でそこそこのスピードクラスのものを選べば出費を抑えられます。
逆に、ハイエンドなデジタルカメラやビデオカメラを使う場合、そのようなSDメモリーカードを買ってしまうと「安物買いの銭失い」になってしまいますから、必要スペックをきちんと見極めて買うようにしましょう。
意外と重要! 「耐久性」をチェック
SDメモリーカードを選ぶ上で、案外見落とされがちなのが耐久性です。
SDメモリーカードには寿命があります。寿命を迎えると読み書きが不安定になったり全くできなくなったりします。そんな寿命を一番大きく左右するのが「読み書き容量」です。データの読み書きを頻繁に行う場合は、少し値が張りますが「長寿命」あるいは「書き換え(読み書き)に強い」とうたっているカードをおすすめします。
読み書き頻度が多い用途の場合はパッケージで「長寿命」あるいは「書き換え(読み書き)に強い」ことをうたうSDメモリーカードを選ぶと良いでしょう(写真はパナソニックの「RP-SDUC64GJK」のパッケージ)また、屋外や温度差の激しい場所など、比較的過酷な環境で使う場合は、耐環境性能に優れていることをうたうカードがおすすめです。耐水性能や耐衝撃性能はもちろん、耐X線性能、耐高温性能、耐湿性能……など、使う場所を想定して選んでみましょう。
過酷な環境で使うことが想定される場合は耐環境性能に優れたカードがおすすめです(画像はキオクシアの「EXCERIA PRO」のWebサイト)おすすめのSDメモリーカードはこれ!
上記のポイントを踏まえて、おすすめのSDメモリーカードを5つご紹介します。
SanDisk Ultra SDHC/SDXCメモリーカード
コストパフォーマンスと性能のバランスを重視する人におすすめです。
読み取り速度はメーカー公称値で毎秒90MB(32GBモデル)または毎秒100MB(64GB/128GBモデル)となっています。書き込み速度はスピードクラスベースで最低毎秒10MBが保証されています。フルHD(1920×1080ピクセル)の動画撮影なら、十分な性能を備えています。
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書き込み性能がそこそこ高く、価格もこなれているものがほしい人におすすめです。
読み取り速度はメーカー公称値で毎秒95MB、書き込み速度はスピードクラスベースで最低毎秒30MBが保証され、メーカー公称値で毎秒75MBとなっています。デジタルカメラにおける連写や、カジュアルに4K動画を撮影する用途であれば、必要十分な性能を備えます。
耐X線性能を始めとする耐環境性能も備えていて、特に飛行機に乗る機会が多い人にもおすすめです。
Amazonで詳細をチェックパナソニック SDUCシリーズ SDHC/SDXCメモリーカード
頻繁にデータを読み書きをする人におすすめです。
メモリは書き換え回数的に有利な「MLCフラッシュメモリ」を採用。耐環境性能を付与している他、内部に「ヒューズ」を内蔵しており、万が一の際のカード内部の異常発熱や発火を防ぎます。
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スピードと耐環境性能の両方を突き詰めたい人にお勧めです。
カードはIP68等級の防塵(じん)性能と防水性能を備え、規格上必要な強度の18倍の曲げ耐性も有しています。あえて「ライトプロテクト(書き込み禁止)スイッチ」や、カードの「リブ」をなくしたことも特徴です。
読み込み速度は最大毎秒300MB、書き込み速度は毎秒最大299MB(共にメーカー公称値)で、読み書きスピードの面でもかなり高性能です(※)。
(※)高速な読み書きを実現するためには、「UHS-II」規格のSDメモリーカードに対応する機器が必要です
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