ホンダが11代目となる新型「シビック」のハッチバックモデルを世界初公開 【ニュース】

ホンダ・シビックLX
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本田技研工業は2021年6月24日、同年秋に発売される予定の新型「シビック」のハッチバックモデルを、世界初公開した。

シビックEX
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「シビックEX」のリアビュー。
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フロントにはハニカムメッシュのグリルを採用。
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「C」字型のリアコンビランプが目を引く。
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赤いステッチが目を引く「シビックEX」のインテリア。
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シートの仕様もグレードによって異なる。
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後席スペースは従来モデルよりゆとりを増している。
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446リッターの容量を持つ「シビックEX」の荷室。側壁には、引き出し式のトノカバーが備わる。
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1.5リッター直4ガソリンターボエンジン。
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トランスミッションはCVTと6段MTから選択可能だ。
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CVT車には、「ECON」「ノーマル」「スポーツ」の3つのモードを持つドライブモードセレクターも装備される。
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5ツインスポークの18インチホイール。「LX」と「EX」(写真)でカラーリングが異なる。
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「EX」に備わるフルグラフィックメーター。
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全車標準装備となるディスプレイオーディオ。
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ADAS用のフロントワイドビューカメラは約100°の視野角を持つ。
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予防安全・運転支援システムの機能拡充も、新型「シビック」のトピックだ。
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エントリーモデルの「LX」。2022年にはハイブリッドモデルや「タイプR」も登場する予定だ。
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コンセプトは「爽快CIVIC」

シビックは、1972年に登場したホンダのコンパクトモデルである。同社の世界戦略を担うグローバルカーでもあり、これまでに170を超える国と地域で、累計2700万台以上が販売されてきた。11代目となる新型は、2020年11月に4ドアセダンのプロトタイプが北米で発表されており、今回およそ7カ月遅れで、ハッチバックが披露されることとなった。

ホンダが11代目となる新型「シビック」のハッチバックモデルを世界初公開 【ニュース】

商品企画に際しては、歴代モデルの振り返りを通してシビックの「不変の価値」を探るとともに、全世界で次期ターゲットユーザーの調査を実施。「2020年における一服の清涼剤のような存在にしたい」という思いから「爽快CIVIC」をコンセプトに掲げ、親しみやすさと特別な存在感を併せ持つクルマとして開発を進めたという。

デザインと車内空間に見るサイズアップの恩恵

ボディーサイズは全長×全幅×全高=4550×1800×1415mm、ホイールベースは2735mm。従来モデルより全長を30mm、ホイールベースを35mm伸ばすことで、伸びやかなスタイリングとゆとりのある車内空間を実現している。

特にエクステリアデザインについては、3代目シビック(通称「ワンダーシビック」)を範にとり、広く開放的なガラスエリアを確保するとともに、ボディーが薄く、軽快に見えるようバランスを配慮。機能性も追求しており、Aピラーの付け根を後退させ、フロントフェンダー後端の高さを下げることで、運転席からの広々とした視野も実現している。後側方の視界についても、リアクオーターガラスを追加することで改善。低められたショルダーラインは、後席の開放感にも寄与しているという。また新型では、自由な造形を得るために樹脂製のテールゲートを採用。従来は外に突き出ていたテールゲートヒンジを内側に隠すことで、伸びやかでスリークなルーフラインを実現した。

一方、インテリアについては、すっきりとした開放的な空間とすることと、使う人に痛痒(つうよう)を感じさせない操作性、そして各部の質感の高さを追求。余計なラインや継ぎ目を排したインストゥルメントパネルの造形は、窓の映り込みやピラーの影まで考慮してデザインされたという。またパネル中央を横断するハニカムメッシュも特徴で、エアコン吹き出し口はその内側に隠されている。

また運転席まわりでは、ドライバーの目線の上下動が少なくて済むよう配慮して、メーターとセンターディスプレイをレイアウト。シフトセレクターを運転席側に5°傾けるなど、自然な操作性についても追求している。

収納スペースの機能性の高さも特徴で、大容量のコンソールボックスや、さまざまなサイズのカップやボトルを収納可能なカップホルダー、大型のスマートフォンにも対応するフロントトレーなどを装備。また、見た目はもちろん指触りや操作感のよさまで考慮してインナードアハンドルや空調のコントローラーを設計するなど、乗員が触れる場所の触感や操作感も重視している。

パッケージングではゆとりを増した後席スペースがトピックで、前後席間距離を35mm、室内幅を12mm拡大。荷室容量も従来型の420リッターから452リッター(「EX」は446リッター)に拡大している。

走りのキーワードは「質の高い軽快感」

ダイナミクス性能に関しては、意のままに操れることを核とした「質の高い軽快感」を追求。まずは欧州で基礎となる性能を鍛え、そのうえで地域ごとのニーズや交通状況に合わせた開発を行ったという。

エンジンは最高出力182PS/6000rpm、最大トルク240N・m/1700-4500rpmを発生する1.5リッター直4ガソリンターボで、トランスミッションにはCVTと6段MTを用意。特にCVT仕様については、従来型よりエンジンの力強さが幅広い回転域で増しており、最大トルクも20N・m向上している。一方MT仕様では、高回転域での伸び感のよさが従来型との違いとなっているという。サウンドについても気を配られており、加速と音の一体感を重視したエンジンサウンドが追求されている。

一方、ボディーについてはフロントとリアに環状骨格構造を、センターにアーチ状の骨格を採用するなどして剛性を強化。積極的な構造用接着剤の使用(塗布長は従来型の9.5倍)とも相まって、車体のねじり剛性は19%向上した。同時に、ボンネットのアルミ化や高ハイテン材の採用拡大などにより、軽量化も実現しているという。

シャシーも従来モデルとは大きく異なり、35mmのロングホイールベース化と12mmのリアドレッドの拡大により、直進性と旋回時の走行安定性を向上。軽量・高剛性なアルミサブフレームの採用や、各部に用いるジョイントおよびベアリングの低フリクション化、電動パワーステアリングの制御の緻密化などにより、ドライブフィールや乗り心地の改善を図っている。

このほかにも、吸遮音材の配置の最適化や、ノイズリデューシングホイールの採用、エンジンやサスペンションなどの取り付け部の剛性強化などにより、静粛性も向上。現行「フィット」より導入が進められているボディースタビライジングシートの採用も、快適性の向上に寄与しているという。

話題の先進運転システムも大幅に機能を強化

装備も従来モデルより大幅に充実しており、上級モデルには10.25インチ高精細フルカラー液晶パネルを用いたフルグラフィックメーターを装備。エントリーモデルのメーターにも、機械式の速度計に加えて7インチのフルカラー液晶パネルを採用している。

インフォテインメント関連では、走行中の操作性にも配慮したというディスプレイオーディオを全車に装備するほか、上級モデルには12基のスピーカーを備えたBOSE製のサウンドシステム「Centerpoint」を採用。コネクテッド機能も充実しており、車内Wi-Fiや自動地図更新サービス、携帯端末を用いた車両のリモート操作機能、緊急時のオペレーションサービスなどからなる「Honda CONNECT」を全車に採用した。

予防安全・運転支援システム(ADAS)についても、フィットや「ヴェゼル」と同世代のホンダ最新のものにアップグレードしている。単眼カメラとミリ波レーダーだけだったセンサーは、フロントワイドビューカメラと前後8基のソナー、リアコーナーレーダーの組み合わせに刷新され、監視範囲が大幅に拡大。アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援システムの性能が進化しているほか、誤発進抑制機能などからなる踏み間違い衝突軽減システム、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、ブラインドスポットインフォメーション、パーキングセンサーシステム、後退出庫サポートなどの新機能が追加された。

このほかにも、安全に関する装備では車速や対向車、歩行者の有無などに応じて照射範囲を自動で調整するアダプティブドライビングビームを上級モデルに装備。エントリーグレードにはオートハイビームを新採用している。

グレードは、エントリーモデルの「LX」と上級モデルの「EX」の2種類。また2022年には、電動パワートレイン「e:HEV」を搭載したハイブリッドモデルや、高性能スポーツモデル「タイプR」も登場する予定だ。

(webCG)

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