ニュース ATMをAI監視、佐賀銀行が本格導入 振り込め詐欺防止へ

AIカメラを設置したATMコーナー。操作しながら携帯電話で一定時間話すと、警告の音声が流れる=佐賀市の佐賀銀行本店の店外ATMコーナー

 巧妙化している振り込め詐欺を防ごうと、佐賀銀行(佐賀市)が、佐賀県警やシステム開発のオプティム(本店・佐賀市)と連携し、現金自動預払機(ATM)へのAIカメラの本格的な導入を始めた。2019年から進めてきた実証実験を踏まえ、検知精度がアップしたという。ATMの上部にはデジタルサイネージ(電子看板)も設置した。 「携帯電話を掛けながらの操作はご遠慮下さい」-。佐賀市の佐賀銀行本店の店外ATMコーナー。来店者を想定した男性がATMの前でスマートフォンを耳にかざし、通話をしながら操作しようとすると店内に警告の音声が流れた。設置するAIカメラが一定時間通話している行動を検知、利用者に詐欺の可能性を知らせた。 通話しながら相手の指示通りにATMを操作し、現金をだまし取られる詐欺が全国で続いていることから、同行と県警、オプティムが三者連携協定を結んで始めた取り組みだ。AIカメラにはオプティムの画像解析技術を活用している。 この防犯システムの運用を県内企業に支援してもらえないかと、佐賀銀行では1月末まで試験的に協賛企業を募集し、運用するキャンペーンを実施している。同行本店の店外ATMではデジタルサイネージに特典として15秒間の広告を流せるという。広告は操作1回の平均利用時間となる3分間隔で繰り返し流される。担当者は「県内企業の力で被害防止活動ができ、SDGsにもつながる活動」とアピールする。 佐賀県警によると、県内のニセ電話詐欺認知件数は今年1月~10月末で21件(前年比5件減)、被害金額は約8229万円(同約4415万円増)。うちATMから現金を振り込ませる還付金詐欺は4件(同4件増)、被害金額は約727万円となっている。 万が一、事件が発生した場合も記録画像を利用して摘発に役立てる。(志波知佳)

最終更新:佐賀新聞

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