日産ノート オーラGレザーエディション(FF)【試乗記】 小さな高級車 再び

お手本は1980年代にあった?

日産ノートをベースに車体をワイド化した、3ナンバーサイズのプレミアムコンパクト。日産ノート オーラは、ノートの派生モデルだと考えればいいのだろう。戸惑うのは、カタログを見ると「日産オーラ」と表記されていることだ。別の名前を持つ別のモデルのような扱いである。主要なコンポーネンツに違いはないのだから姉妹車であることは間違いないのだが、日産としては異なる性格を持つ上級モデルであることを強調したいのだろう。リアのバッジは大きな「AURA」のロゴの上に、控えめに「NOTE」という文字が添えられている。

日産ノート オーラGレザーエディション(FF)【試乗記】 小さな高級車 再び

わかりやすく言えば、コンセプトは“小さな高級車”ということになるだろう。日産は1980年代に同じような考え方のモデルを販売していたことがある。「ローレル スピリット」だ。小型大衆車の「サニー」をベースにして上質な内外装を与え、高級セダン「ローレル」の雰囲気をまとわせた。他メーカーも負けてはいない。「マツダ・ベリーサ」や「ホンダ・ドマーニ」といった例がある。

コンパクトカーだから安っぽくても許されるという時代はとうに終わっている。軽自動車が質感を高めているのだから、あからさまなコストダウンが気づかれれば競争力を失う。だから、素のノートだって決してチープなつくりにはなっていない。オーラはそこに特別感を加えなければならないので、単純にクロームパーツを盛って本革を多用するような手法ではダメなのだ。オーラには、ノートとは異なる世界観が求められる。

外観を見て、すぐに違いを見極めるのは難しい。なんとなくワイドな感じがするが、1695mmのノートに対しオーラは1735mmで差は40mm。よく見ると、フロントのホイールアーチが張り出した形状になっていることがわかる。タイヤサイズの拡大に対応するとともに、スポーティーな印象を与えることにもなっている。

「日産ノート オーラ」は、プレミアムなコンパクトモデルを志向した「ノート」の派生モデル。内外装の仕立て、装備、パワーユニットと、全方位的にアップグレードされている。
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テールゲートに装着された「NOTE AURA」のバッジ。同車は「ノート オーラ」だったり「オーラ」だったり「オーラe-POWER」だったりと、カタログやウェブサイトなどで使われる車名の表記が定まっていない。
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インテリアは木目調のフィニッシャーや織物のトリムなどでベース車と差別化。ウィンドウに遮音対策を施すなど、快適性の向上も図られている。
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車体から張り出したフロントフェンダー。「ノート オーラ」の全幅は「ノート」より40mm大きい1735mmで、前後のトレッドも1490mmから1510mmに拡幅している。
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