東京ゲームショウ2019のカプコンブースに出展されている新規プロジェクト“PROJECT RESISTANCE(プロジェクト レジスタンス)”。本作の体験レポートを掲載する。
本プロジェクトは、ラクーンシティという『バイオハザード』の世界観の中で描かれる非対称対戦サバイバルホラー。プレイヤーは、策略を巡らす“マスターマインド”と、仲間と協力して脱出を目指す“サバイバー”のどちらかとなり、対戦することになる。
どちらになるかで、大きく異なる操作、ルールで対戦を行うことになり、その駆け引きが本プロジェクトの特徴となっている。以下でその様子をレポートする。
なお、この作品は“ワーキングタイトル”の位置づけとされており、発売は未確定、タイトル名も仮称と考えてよいだろう。
ルールは単純。脱出できるか、阻止できるか……
“プロジェクト レジスタンス”の1ステージは、3エリアで構築されている。画面上部に表示されているタイムカウント(制限時間)がゼロとなる前に3つのエリアをクリアできればサバイバーの勝利で、タイムカウントをゼロにして脱出を阻止できればマスターマインドの勝利となる。
タイムカウントは、時間経過で減っていくが、それ以外に増減することがある。サバイバーがキーアイテムを入手したり、クリーチャーを撃退したりするとタイムカウントがプラスされる。マスターマインドは、サバイバーを攻撃するとタイムカウントをマイナスさせられる。
また、サバイバーは倒されるとリスポーンすることになるが、その際にタイムカウントが大きく減少してしまう。サバイバー側はそうならないように、助け合うことがポイントで、マスターマインド側はリスポーンさせることが勝利へのカギになりそうだ。
嫌がらせをいかにできるかが、マスターマインドのポイント
まずはサバイバーを体験したのだが、マスターマインドから記していく。
マスターマインドの目的は前述のとおり、サバイバーの脱出を阻止すること。そのために、クリーチャーや罠を配置したり、ドアをロックしたりして、サバイバーの行動を阻害していく。
サバイバーの行動を見る際に使うのが、監視カメラ。エリアには数々のカメラが配置されていて、それを切り替えながらアクションすることに。ゾンビを配置したり、明かりを消したりというアクションは、カメラのモニター越しに行うため、カメラが使えなくなると行動が制限されるため、マスターマインドとしては不利になる。
一方で、エリアのカギの場所やサバイバーの位置はマップですべて把握できるため、いかにしてサバイバーのしたいことをさせない、こちらのペースに持ち込むのかが重要になりそうだと感じた。
配置するゾンビやゾンビ犬はなかなかに強力なうえに、凶暴化させることが可能。さらには配置したゾンビ(人型に限る)に乗りうつり、操作することもできる。かなり強力な存在となるが、サバイバー側は数で勝っている。少し強力だったとしても、4人が固まっているとさすがに押されてしまうので、いかにして妨害・分断するのかを考え始めると、マスターマインドのプレイがよりおもしろくなっていくと感じた。
例えば、ドアを通っている最中にロックしたり、狭い部屋にクリーチャーを多数配置して混乱させたり、ガンカメラのある暗い部屋にゾンビ犬を送り込んで、上下からゆさぶりをかけたり……という具合。
今回のバージョンではキーアイテムのカメラは用意されているものとなっていたが、こちらはプリセットであらかじめ組んでおくことができるようになるとのこと。マップや仕掛けを理解して、そのうえでサバイバーにどのようにして嫌がらせをしていくのか……プレイ前から楽しみはありそうだ。
マスターマインドはクリーチャーや罠を配置していくのだが、それにはコストのようなものが必要。時間が経過するとたまっていくので、「ここでいろいろとしかけたいから、それまである程度スルーしよう」などの駆け引きも重要に。
そして最大のポイントはBio Organic Weapon(B.O.W.)のタイラントを繰り出すことができるということ。タイラントの召喚にはコスト以外に、専用のゲージが必要となるが、とにかく強力。さらにマスターマインドが操作するので、まとまっているプレイヤーをなぎ倒して、一気にタイムカウントを減らしたり、逃げているプレイヤーをどこまでも追いかけたりが可能。
ただ、閃光手榴弾や強力な銃火器を持っていると、さすがのタイライトといえども厳しいようだ。
今回はまだプレイヤー全員がゲームのルールを把握できていなかったため、サバイバー側を混乱させるのは容易だったが、お互いの練度があがってくると、深い読み合いが起こりそうだ。
協力して脱出を目指すサバイバー
続いてサバイバーについて紹介。
操作は、これまでの『バイオハザード』やTPSタイトルをプレイしている人であれば問題なく行える。L2で武器を構え、R2で構え後に発射。アイテム画面やマップを開く、リロードなどが可能であった。
また、各キャラクターにある固有のパーソナルスキルはR1で、強力なスキルになる“フィーバースキル”はL1+R1で発動する。後述するが、有用なものが多いため、こちらを積極的に使っていくのはポイントになりそうだ。
キャラは4キャラいて、それぞれ得意なこと、役割が異なる。例えば、女性のハッカーであれば監視カメラを無効にしてマスターマインドの行動を妨害したり、男性のタンクであれば、仲間の士気を上げて受けるダメージを減らしたりという具合だ。
エリアには、マスターマインドが配置したクリーチャーや罠があり、撃破したり破壊したりするとタイムカウントがプラスされる。ただ、攻撃を受けてしまうと、逆にマイナスになってしまうので、スルーする事も考えつつ、対処することに。
エリアごとにやることは多少異なるが、基本的にはキーアイテムを集めて特定の場所に設置する、もしくは特定の場所でアクセスや破壊を行うというもの。ただ、マスターマインド側は場所がわかっているため、重要なポイントには何かをしかけていることが想定される。
そこを考慮してどのように対応するのか、プレイヤー同士の連携やアドリブ力が試されることになりそうだ。
前述のとおり、キャラには役割とスキルが与えられている。例えばアタッカーのサミュエルは拳による攻撃が強力。タイマンであれば、かなり有利なので、スキルがたまっているのであれば積極的に使っていいと感じた。
また、タンク役のタイローン・ヘンリーはスキルで“突き蹴り”を使える。この蹴りはダメージを与えつつ、距離をとれるので、地味に強力で重宝した。防御力が高いということで、前線に立つことも多いキャラなので、過度のダメージは受けないように使っていきたい。
重要だと感じたのが、サポート役のヴァレリー・ハーモン。スキルでアイテムを見つけやすくなるうえに、範囲内の味方を回復させる“スプレーヒーリング”という“フィーバースキル”を使える。この“スプレーヒーリング”は瀕死状態の味方を回復させられるので、同時に蘇生が必要になった際には迷わず使うことをオススメする。
エリアの中には、ゲーム内コインを使ってアイテムを補充する部屋が存在。回復アイテムだけでなく、武器も入っている。特に3番目のエリアには、破壊すべき装置があったり、マスターマインドによる強力なクリーチャーが配置されたりするので、しっかりと準備したい。
また、アイテムバッグを持ったゾンビを倒すことができると、強力なアイテムを落とすので見つけた時にはぜひ倒してほしい。
また、これまでのシリーズにはないアイテムとして“イエローハーブ”を確認できた。こちらを使うとステータスがアップする。与えるダメージは目に見えて増えていたので、特定の場所を破壊したり、強敵と対峙したりした時に活用してみては?
クリーチャーは単体ではそこまで苦戦しないが、罠やロックなど何かと組み合わさると、混乱から苦戦するようになる。
そのため、他のキャラの行動を含め、息をあわせることがポイントになる。例えば他のメンバーが出口に向かっているのに、ゆっくり探索していると、そこにクリーチャーを配置されてパニックになることも。
前述のとおり、カメラのハッキングも重要。マスターはドアやエレベーターを操作して、プレイヤーを分断することができる。ただ、装置を的確に設置するためにはカメラでの確認が欠かせない。それを防ぐためにも、目立つ場所のカメラはハッキングしていきたい。
非対称対戦ゲームとサバイバルホラーの融合
世界中でさまざまな人がプレイしている非対称対戦ゲーム。本プロジェクトは、『バイオハザード』の世界観を使い、サバイバルホラーを組み合わせたタイトルとなっている。
ルールや遊びを理解するのに少し時間が必要になると感じたが、やることを理解して連携できたり、相手の行動を邪魔したりできた時にはかなりの快感を覚えた。
ゲームショウのステージの様子は生放送でも配信されるというので、気になっている人はチェックしてほしい。