芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(70)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は各メディアでもおなじみ、国立病院機構仙台医療センター・ウイルスセンター長の西村秀一先生が6月に出版し、話題を集めている「もうだまされない 新型コロナの大誤解」(幻冬舎)を紹介します。皆さん、こんにちは、生島ヒロシです。7月に入りました。でも昨年同様、夏だ!って雰囲気はありませんね。コロナの影が社会全体を覆っています。今日は、そんな新型コロナウイルスへの対策を、いま一度考えてみたいと思います。実は最近、とても面白い本を読んだんです。コロナ関連で新聞やテレビにご出演の西村秀一先生の「もうだまされない 新型コロナの大誤解」。ちょっとドキッとするタイトルですよね。本の内容に沿って、西村先生にお話を伺ってきました。西村先生は「新型コロナは空気感染です。ウイルスはどこにでもいるわけではないので、接触感染はあまり気にする必要がありません」と強調します。いまや誰もが、ドアノブやテーブル、手すりなどをアルコール消毒。私もです。でも「感染者がせきやくしゃみをしてウイルスが口から出ても、その量はごくわずか。その中で生きているウイルスは、さらに少ない。ウイルスに接触する確率は、かなり低いです」とのこと。「明らかにウイルスが付いたであろう指の先を、鼻の穴の奥の粘膜まで突っ込まなければ、まず大丈夫」だそうです。私も手を石けんでこまめに洗うようになりましたが、本では勧めていません。西村先生は「洗い過ぎたり、アルコールでこすり過ぎたりすると、皮膚のバリアー機能が壊れ、ほかの細菌からの防御ができなくなります」と話します。「流水で洗えば十分です」とのことです。本で推奨しているのは、手洗いより「うがい」です。感染者の口から出たエアロゾル、飛まつのことですが、夏は湿度が高いため、ウイルスを覆う水分がなかなか蒸発しないんだそうです。粒子が大きいと、鼻や喉の奥まで入り込む前に止まります。その段階で食い止めるのです。大阪の吉村知事が発表して話題になり、批判もあったようですが“イソジン(ヨード液)”うがいが最強です。彼は基本的には間違っていなかった思います」とのこと。イソジンの代わりに、これからの季節、水分補給を兼ねて濃いお茶を口に含んでゆっくり飲むのも良いそうです。お茶のカテキンが効きます。本では「生命線は素材性能と密着性」の見出しで、改めてマスクの重要性を指摘しています。西村先生が特に強調するのは「密着性」。最近では、あまり深く考えずに着けているマスクですが、隙間があるかどうかで大違いだそうです。本でも扱っている「マスクの密着性を高める方法」をイラストにしました。両方のひもを根元で結んで密着性アップ。端の布の重なりを内側へと押し込んでテープでとめる。いつもよりワンサイズ上のマスクを使うのがコツ。きついくらいの方がいいですが、耳の後ろが痛い場合は、ひもを頭の後ろでとめるマスクバンドを利用するといいです。西村先生は「自分のいる場所が密で換気が悪いな、周囲にせきをしている人が随分いるな、と感じるときは、マスクに隙間がないかチェック。いざとなれば、マスクを手で覆うのも効果があります」と話しています。実は本には、衝撃の実験結果が紹介されているんです。マスクの素材についてですが、西村先生の実験で「ウレタンマスクは効果ほぼゼロ」とのこと。研究室でエアロゾルを吸い込ませたところ、不織布マスクは医療用マスクとほぼ遜色なく、大きい粒子から小さい粒子まで高確率でブロック。一方、若い人を中心に人気のウレタンマスクは、ほとんどスルー状態に。「若年層の感染が多いのはウレタンマスクのせいではないかと、個人的には思っています。そんなウレタンマスクですが、不織布マスクの上に着けて、密着性をアップさせるという使い道はあります」とのことです。これから暑くなる一方です。「表を歩いているときはマスクを外してもいいでしょう。マスクで熱もこもります。熱中症の方がずっと怖いです。ウイルスは基本的にいませんし、もしいたとしても風で流されて、吸い込む確率は限りなくゼロに近いです。マスクをしてランニングをしている人がいますが、苦しくなるだけで意味がありません」。西村先生は、とにかく、空気の流れがあれば大丈夫と話しています。だから部屋の換気の重要性も強調。本にも詳しく載っています。私は生理食塩水で徹底的に「鼻うがい」をしています。すっきりして気持ちいいですよ。お勧めです。やっぱり鼻から大量の空気を吸いますからね。ウイルスだって入って来ると思います。きれいに洗い流したいですね。西村先生の本を読んで、感染予防を正しく行っていればコロナも怖くない、と思えるようになりました。逆に言うと、正しい予防ができなければ、たとえワクチンを打ったとしても感染の可能性は高くなる。これからウイルスと共に生きていく上で、多くの学びがある本でした。◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の70歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。名物コーナー「教えてドクター!病気が逃げてく健康習慣」に登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。
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