ミツオカ・バディ20ST(FF/CVT)【試乗記】 もはやオリジナル

2021年6月中旬の納車開始が予定されているバディは、ミツオカとしては初のSUVということもあってか、近年にないヒット作になる可能性が高い。昨2020年11月の正式発表時は年間150台の生産計画だったが、予約段階から想定を大きく上回る受注となったらしい。そこで生産方式を、ひとりの職人が1台ずつ完成させるセル生産から、流れ作業によるライン生産に変更して、当初予定の2倍となる年間300台への増産を決定した。

ミツオカ・バディ20ST(FF/CVT)【試乗記】 もはやオリジナル

ミツオカといえば「ゼロワン」や「オロチ」など、車体から自社開発できる日本最小の自動車メーカーでもある。ただ、今回のバディは、既存の量産車をベースに主にエクステリアをモディファイ……という「ヒミコ」「ビュート」「ガリュー」などの現行商品と同様の、おなじみの手法でつくられるミツオカである。

バディのベースとなったのは「トヨタRAV4」で、いつものように前後エンドを中心に再デザインされている。モチーフは「1970~1980年代のアメリカンSUV」だそうだ。上下2階建てヘッドライトやグリルはいかにもシボレーっぽく、同社の「ブレイザー」に似ているとの声が多い。しかし、中央が盛り上がったボンネットや逆スラントノーズの造形は「フォード・ブロンコ」風でもあり、ウッドパネルを貼ったようなリアゲートや縦長のテールランプは「ジープ・グランドワゴニア」に見えなくもない。バディのデザインは特定のモデルを想定した“レプリカ”ではなく、いわば“あるあるモノマネ”かもしれない。

ミツオカ初のSUVとして2020年11月に発表された「バディ」。「トヨタRAV4」がベースとなっており、独自のカスタマイズによって全長が130mm長くなっている。
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上下2段のヘッドランプとメッキのグリル&バンパーによって、往年のアメリカンSUVを思わせる姿に仕立てられている。
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ご覧のとおり、ノーズ部分は大きく逆スラントしている。
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リアゲートにはウッド調の大きなパネルをレイアウト。文字間隔を大きく開けて「MITSUOKA」ロゴがあしらわれる。
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