(FNNプライムオンライン)
電車を安全に運行するのにはさまざまな人が関わり、そしてたくさんの装置や機器が活躍している。今この安全を守る“線路の装置”がTwitterで話題となっている。【画像】別の形の融雪器や江ノ電の車両の画像を見る紹介したのは江ノ電公式Twitterアカウント(@Enoden_OFFICIAL)で、「火事ではありませんので、ご安心を」とのコメントと共に動画を投稿。線路の分岐器(ポイント)部分の様子なのだが、よく見るとレールの下からめらめらと燃える火が確認できる。実はこれ、降雪や凍結で分岐器が転換できなくなることを防いでいるのだという。寒い季節にだけ見ることができ、安全な運行に欠かせない装置なのだ。この装置にはTwitterでも「知りませんでした!」「こんな面白い技があるんだなぁ」といった驚く声のほか、中には「懐かしい…」「久しぶりにみました」とのコメントが寄せられていた。めらめらめらっとしてます『線路から火が出ている?』と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、降雪や凍結によりポイントが転換できなくなることを防ぐ大切な装置です。 火事ではありませんので、ご安心を
このタイプは数を減らしつつあった?
雪や凍結を防ぐために火で温めるというのは分かる。しかし動画で見ると、火がレールに直接当たっているようだが問題はないのだろうか? そもそもこの装置はどのような仕組みなのだろうか?江ノ島電鉄株式会社のTwitter担当者に話を聞いた。ーーレールに火を当てるこの装置の名前は?融雪器(または融雪カンテラ、カンテラなど)といいます。側面式、底面式などがありますが、今回の投稿では底面式の融雪器を紹介いたしました。ーーいつ頃から設置されている?正確な記録はありませんが、古くから使用しています。ーーどのような仕組みなの?灯油を燃やしています。灯油ストーブやアルコールランプと考え方は同じです。降雪などにより凍結などが想定される間は、適宜給油することにより使用しています。ーーそもそもレールに火を当てて大丈夫なの?全体に対してわずかな箇所であること、また材質上、問題はありません。ーーこの装置は、どこの鉄道会社でも使われている?多くの会社で使用されているかと推察しますが、より最新の装置を使用されているかと思います。なお当社においても底面式は数を減らしつつあります。担当者によると、今回投稿された「底面式の融雪器」は、灯油を入れるケースや着火器が、線路の分岐器部分の下に設置されているもので、江ノ島電鉄では一番古くから利用されてきたものだという。しかし近年、便利で扱いやすいという理由で、これまでの底面式から「側面式」に切り替えつつあるのだという。「側面式」は名前の通りレールの側面に火元があり、底面式よりも大型のタンクを用意できるため、給油頻度が減ることで作業の効率化が図れるのだそう。ちなみに側面式の融雪器にはカバーが掛けられているため、見えなくはないが、利用客や沿線の住人には気づきにくいとのことだ。
次ページは:「縁の下の力持ちの存在」を知ってほしい最終更新:FNNプライムオンライン