シンガポールに本社を置く Grab は、レンタカー事業を拡大するために7億米ドル借り入れることを今日(10月20日)発表した。
東南アジアにおける Uber の競合である Grab は、当地域におけるオンデマンド交通システムプラットフォームのリーディングプレイヤーだとしており、来年のこの時期までには東南アジアにおいて「最大のレンタカー事業者」になることを目標としている。
Grab によれば、レンタカーが利用可能になれば、自動車所有が比較的普及していない国でドライバーのネットワークを拡大させることができるという。車を所有していない場合、好きな条件で一台レンタルして Grab のネットワークを利用することができる。前提としてあるのは、車を運転しながらレンタル代回収に必要な資金を稼ぐということである。
具体的に、Grab は何に7億米ドルを割り当てるのだろうか?インドネシアではどのレンタカー会社と提携しているのか、そして、レンタカー事業を拡大するために車両を購入する予定なのだろうか?Grab の広報担当はこれらの質問に答えることはしなかった。
シンガポールでは同社は民営化された公共交通機関の一つである SMRT と連携している。このパートナーシップにより、Grab のドライバー希望者は SMRT の車両を利用することができるようになる。
インドネシアは Grab の最大の市場であり、同社の発表によれば、インドネシアにはレンタル事業が発展する可能性もあると考えているという。
すでにインドネシアで TPI Rental というサードパーティー企業と提携してレンタル事業を展開しているので、この関係性をもとに拡大するか、同様の事業を立ち上げることができる。
もう一つの疑問は、はたして Grab のドライバーはレンタル費用分を取り戻すことができるだろうかということだ。
Grab には、パートナードライバーの仕事効率を向上させ、収入を増やすのに役立つ仕組みがいくつかあります。ドライバーのアプリには「back2back jobs」という機能があり、この機能によってドライバーは現行の仕事が終わる前に次の仕事を受けることが可能になり、仕事のない無駄な時間を減らすことができます。ほかにもアプリ内の Driver Heatmap を使えば、ドライバーは需要の高いエリアを知ることができるので、予約を受けるチャンスが増えるのです。
広報担当者は Tech in Asia にこう語ったが、このことはレタカー利用者だけでなく、自分の車を持っている人にもあてはまる。
TPI Rental のウェブサイトによれば、同社では一日当たり14.80米ドルでレンタカーを利用でき、Grab から「優先的な仕事」を受けることができるという。
自分の車を使って Grab で仕事をしている人たちがこのことによって仕事の量が減っているように感じた場合、このシステムは問題になるかもしれない。
Grab の広報担当者は、レンタカーを使用するドライバーに対して優遇措置があるかどうかについてはコメントしなかった。
【via Tech in Asia】 @techinasia
【原文】
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