9人が死亡した長野県の防災ヘリ事故から5年となった5日、雪に覆われた墜落現場では同僚らが「これからも見守って」と、花を手向けていました。
2017年3月5日、長野県の防災ヘリ「アルプス」が墜落し、乗っていた9人全員が死亡しました。
事故から5年となった5日―。
墜落現場の鉢伏山の尾根には、ヘリが接触したと見られるカラマツが5年前と変わらぬ姿で立っていました。機体が落ちた谷は静寂に包まれていました。
(リポート)「鉢伏山の墜落現場です。事故から5年、今年はこれまでになく深い雪に覆われています」
慰霊に訪れた消防防災航空隊のOBは、今も悔しさがこみ上げると話します。
消防防災航空隊OB:「本当に安らかに眠っていただきたいと思います」
消防防災航空隊OB・西沢健司さん:「(亡くなった)小口くんとは、もっと現役のときに話したり、お酒をくみ交わしたりしたかったです。何でだよって話ですよ。(本番でなく)訓練ですよ」
元同僚らは事故の後、県が設置した「誓いの碑」に次々に手を合わせていました。
航空隊OB(須坂市消防本部)藤沢勝太さん:「人命救助に携わる人たちが、事故で命を落とさないよう見守ってほしい。私たちは一生懸命これからもやっていくので、どうか見守って下さい」
松本空港近くの慰霊碑では…。
県の追悼式典には遺族や消防、自治体関係者50人余りが出席しました。
長野県・阿部守一知事:「県民の皆さまの命を守るために、県として全力を尽くすことを固くお誓い申し上げます」
県消防防災航空隊・水崎厚史隊長:「この悲しみを絶対に繰り返してはならない。絶対に風化させることなく、安全を第一に考えた活動を継続していく」
松本市の高嶋俊郎さんは「国際消防救助隊」にも選ばれた長男の典俊さんを失いました。
高嶋俊郎さん:「一日も息子のことを思い出さない日はありませんでした。(孫が)ちゃんと育っているよと今回も言いながら花を捧げました。(隊員の皆さんには)安全をしっかり確認しながら活躍してほしい」
9人の貴い命を決して無駄にしないための活動が続きます。